今週末は日本全国で気温がグンと上がる予測です。猛暑日となる所が一気に増えて、広い範囲で体温を超える猛烈な暑さとなり、猛暑日地点数は今年最も多くなる可能性もあります。そうなってきますと、「熱中症」に気を付けていかねばなりません。
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熱中症とは
熱中症とは、体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かなくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などのさまざまな症状を起こす病気のこと。暑い環境や体温が下がりにくい環境で起こる、体の異常のことをいいます。
かつては、夏の暑さや炎天下で具合が悪くなったり倒れたりする状態は、日射病などと呼ばれていました。また、医学的には、以前は重症度に応じて熱疲労、熱けいれん、熱射病などと呼ばれていました。現在は、それらをひとくくりにして、「熱中症」と呼んでいます。
重症度によって、次の3つの段階に分けられます。Ⅱ度以上は、病院で治療を受ける必要があります。
・Ⅰ度:軽症 …… 立ちくらみ(脳への血流が瞬間的に不十分になったことで生じる)
筋肉痛、筋肉の硬直(発汗に伴う塩分の不足で生じるこむら返り)
大量の発汗
・Ⅱ度:中等症…… 頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感
・Ⅲ度:重症 …… 意識障害、けいれん、手足の運動障害
高体温(体に触ると熱い。いわゆる熱射病、重度の日射病)
どうなると熱中症になっちゃうの
環境の要因 | ●気温や湿度が高い ●風通しが悪い ●日差しが強いなど |
体の状態 | ●子供や高齢者 ●寝不足や疲れ ●体調不良(病気など) ●暑さに体が慣れていない |
行動の要因 | ●炎天下で激しい運動をした ●水分補給できない ●休息が取れていない |
そもそも人間には体温調節機能として、末梢の血管が拡張して熱を体の外に放出したり、汗をかいて体の表面から熱を奪う事で、上がった体温を下げようと働きます。あまりに厳しい環境に長くいると、その調節機能が乱れて、体内に熱がたまってしまう事が熱中症の原因となります。
熱中症になったらどう対処するのか
こんな症状が出たら、要注意です。熱中症は油断すると重症化するので、早期に対処が必要です。
【熱中症の症状】
- めまい
- 失神(立ちくらみ)
- 生あくび
- 大量の発汗
- 強い口渇感
- 筋肉痛
- 筋肉の硬直(こむら返り)
- 頭痛
- 嘔吐
- 倦怠感(だるさ)
- 虚脱感
- 意識障害
- 痙攣
- せん妄
- 小脳失調
- 高体温(深部体温 >40℃) など
(『熱中症診療ガイドライン2015』より一部改訂して引用)
●こむら返り(つる)
原因はミネラル不足で、大量の発汗で起こります。ナトリウム不足が原因で重症化する可能性があるの注意です。全身がつるケースもあるのでその際は迷わず救急車を呼びましょう。
●高熱が出る
風邪による高熱の場合はウィルスから身を守るために、熱を上げろという脳からの指令でそうなりますが、熱中症の場合は、熱が体の中にたまり、放散できないことで高熱になります。「発熱」と熱中症に起因する「高体温(うつ熱)」は異なります。
【原因と対処方法】
◆原因は水分と塩分の不足
まずは木陰など涼しい場所に移動し、ポカリスエットやアクエリアスなど、入手しやすい市販飲料で水分補給しましょう。これらの飲み物には、熱中症の応急処置に有効な塩分のほかに糖分も含まれているため、飲みやすいという利点があります。
◆回復体位を取らせる
職場や町中などで熱中症で倒れてしまった方をみかけた場合、まずは涼しい場所に連れていき、「回復体位」をとらせましょう。
- 患者さんを横向きに寝かせ、下側の腕を前方へ出し、上側の腕を曲げて患者さんの顔を上側の手の甲にのせます。
- 顎を上げるように前に出して気道を確保します。
- 上側の足の膝を直角に曲げ、前方に出して体を安定させます。
※意識がない人に無理に水分を飲ませるのは危険
患者さんの意識がない場合、水を飲ませようとすると肺に入ってしまうことがあるため、無理に水分摂取させる必要はありません。
◆体を冷やす
濡らしたタオルや、ハンカチでくるんだ保冷材など、冷やせるものがある場合は、首の前側(頸動脈が通っている部分)や脇の下など、太い血管が通っている部位にあてて体を冷やします。足の付け根のそけい部も、冷やす部位として適しています。
熱中症の予防のためには
具体的には、次のことを心掛けるようにしましょう。
●休憩の頻度を増やす
●こまめに水分と電解質(ナトリウムなど)を補給する。ミネラル入り麦茶が効果的。
●夜しっかりと寝て疲労回復に努める
●飲酒は疲労・脱水の原因となるため控えめに
熱中症予防グッズ
●たくさん汗をかくときには塩分補給が大事
素早く塩分摂取するなら塩飴や塩タブレットなどがおすすめです。
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●水分補給には経口補水液
常備しておくと安心。医師からもすすめられたオーエスワン。風や下痢のときにも使えます。
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●冷却グッズで効果的に体を冷やそう
効率よく体温を下げるには静脈を冷やすのが大事です。
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まとめ
油断することなく、無理をすることなく、毎日の体調管理と共に予防に力を入れることが大事なようですね。残暑厳しき折、ご自愛くださいまして、ご活躍頂きたいと思います。
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