IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長は
カタールのドーハで開かれているオリンピック
関連の会合の演説で、東京オリンピックの
マラソンと競歩の会場について、
「IOC理事会と大会組織委員会は、
札幌市に移すことに決めた」と述べた。

なぜ、ここに来て変更なのか?
IOCのトーマス・バッハ会長は、
懸案の「焦点」は選手の健康問題だと述べた。
真夏の札幌の気温は東京より5~6度ほど涼しい。
その背景にカタールで行われた世界選手権で
猛暑の影響から女子マラソンなどで
およそ4割の選手が棄権し、大会運営に
批判が相次いだことがあったようだ。
コーツ調整委員長は以下のように答えた。
「理由はシンプルだ。(東京に比べ)5~6度低く、選手にとってずっと安全だ。
陸上の世界選手権では女子マラソンで68人中40人しか完走しなかった。
以前はこの問題の具体例もなかったが、今は何が問題か分かる。
検討を始めたのは先週から。都知事には今朝(16日朝)伝えた。
IOCのバッハ会長が国際陸上競技連盟のコー会長に話したのも今朝だ。
組織委は少し驚いていたが、それも理解できる。
そのことは謝るが、問題を放置するわけにもいかない。
開催地は、東京より北を探してみた。
札幌は冬季五輪開催都市で、知事や市長に非常に理解があることも分かっていた。
先週には北海道出身の橋本聖子五輪相が前向きであることも知った。
チケットは、払い戻しに応じる。払い戻せば他の人が買うだけだと思う」
北海道マラソンの様子
札幌では毎年、北海道マラソンが開催されて
開催経験はある。チケットはすでに販売されていて
数万人に観客を収容する必要があることから
札幌ドームを発着にする新コースを
検討しなくてはいけなくなるだろう。
JOC・東京都の反応
日本オリンピック委員会の山下泰裕会長は
「基本はアスリートファースト。
IOCなどとよく相談しながら
進めていかないといけない」
と、推移を見守る考えを示した。
開幕まで10カ月を切って変更案が
浮上したことに対しては、
「非常に驚きを覚えた。
この時期に、という戸惑いはある」と述べた。
バッハ会長と連絡を取ったという
大会組織委員会の森喜朗会長は
「東京都は同意はしていないことは
バッハ会長に申し上げた」としながら、
「正直言って、相談してどうこう、ではない」
と語った。
従うしかないと言うことなのでしょう。
【小池都知事、マラソン「北方領土で」】
東京都の小池百合子知事が、2020年東京五輪のマラソン、競歩の会場を札幌に移す案を国際オリンピック委員会が発表したことに関連し、「涼しいところなら『北方領土で』と声を上げていただければ」などと発言していました。
記事は⇒https://t.co/Fy9qH1CX82 pic.twitter.com/Arap6F859t
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) October 17, 2019
そもそも立候補の時の
日本オリンピック委員会(JOC)は、
東京五輪の立候補ファイルを提出しているが
そのファイルには東京の気候について
説明されている。
2020年の東京オリンピックは、
7月24日から8月9日。
この時期は近年、息苦しいほどの猛暑である。
ところが、東京五輪立候補ファイルの
13ページにはこう書いてある。
「この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、
アスリート が最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である。」
IOCから
開催期間は
7月15日から8月31日の間の16日間、
と開催条件が指定
されているので、
この時期の開催が避けられないのはわかる。
この期間を「温暖」としらを切っていて、
その提案書は嘘じゃないかと
いわれても仕方ないし、
東京の気候はねつ造だったから、
変えるのだといわれたら文句は言えない
のではないでしょうか?
だけど、IOCの方も子供ではないので、
そんなことはわかっていたはず。
一番は、ドーハの世界陸上のような
棄権が続出し、最悪な事態になってしまい、
批判がIOCに浴びせられる
事態になる事をおそれた
というのが、正直な判断だった
のではないでしょうか?

選手ファーストなのになぜ8月に開催をするのか?
オリンピックの収入の大半が、
アメリカの企業による放映権料だ。
アメリカのメインスポーツが
ちょうど8月が空くので
ここでオリンピックを開催することが
条件になっている。
つまり、
スポンサーファーストになっているわけだ。
まとめ
「東京都はマラソン対策として都道の遮熱舗装対策に300億円かけた」というニュースを読んで、一瞬「そんなに使ったんなら簡単に譲れないだろうなあ…」と思ったけど、戦時中もこんなふうに「いまさら引けない」という理由で継戦を主張した人は多かったんだろうなぁと思った都民です。札幌開催賛成。
— たられば (@tarareba722) October 17, 2019
●チケットはどうなるのでしょうか?
せっかく当たったのに!
ホテルや航空券も買ったのに!
などの今更どうするのという声が多い一方で
猛暑で事故が起こるよりは
ここでの判断はよかった
と肯定的に捉える声もあります。
いずれにせよ、無理した中で
強引に進めてきた感のある
東京オリンピックですが、
もっと他の競技でも
そんな声が上がって、
我慢してきたことが
正しく判断し直そうという
動きが出てくるかもしれません。
もう始まってしまったから後には引けないんだ
という、戦時中の後に引けないというままに
とことんまで進んでしまった日本気質?
に待ったをかけてもらったことは、
今回のことを通じて、
日本人の価値観を変えるきっかけ
になるターニングポイントかも知れない
と思いました。
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