今年の夏の甲子園大会愛知県代表となった誉高校はノーシードながら、全国最多の188チームが参加する愛知県大会を勝ち抜き、【ジャイキリ誉高校】と呼ばれ注目を浴びている。「ジャイキリ」という言葉になじみのない人も多いのではないでしょうか?そこを深掘りしてみようと思います。
ジャイキリとは?
予期しない出来事のために物事が順番どおりに進まなくなること。また、スポーツの試合などで、実力から予想される勝敗とは異なる結果になること。(デジタル大辞泉より)を「番狂わせ」と言うが、英語で「giant-killing」といい、日本語では「大物食い」などでも表現され、イングランドで行われている世界最古のカップ戦であるFAカップにおいて4部や5部などの下位リーグのクラブが1部リーグのクラブを破った際などに用いられる。日本語でもマンガ『GIANT KILLING』の登場から主にサッカーで「ジャイアントキリング」(略してジャイキリ)と使われるようになった。(ウィキペディアから引用)
まさに、今年の愛知県大会での誉高校の活躍は、有力校がひしめく中、まさにジャイキリであったと言えるわけですね。
決 勝 誉8 – 1桜丘(シード校)
準決勝 誉5 – 4中京大中京(シード校 甲子園過去28回出場)
準々決勝 誉7 – 4星城(選抜優勝校東邦を2回戦で撃破)
5回戦 誉9 – 4愛知産大工
4回戦 誉4 – 2愛工大名電(甲子園過去12回出場)
3回戦 誉4 – 2向陽
2回戦 誉4 – 3愛知(甲子園過去2回出場)
1回戦 誉8 – 0豊橋工
2019年の愛知県大会
2019年春の選抜大会で令和の最初の王者となった東邦高校を中心にして、今年の愛知県大会は優勝予測がなされていました。
愛知県では【私学4強】と呼ばれる【中京大中京】【愛工大名電】【東邦】【享栄】が牙城を築き上げていて、それを崩すことは至難の業であると思われている県です。その証拠に過去20年の内で私学4強以外の学校が甲子園に出るのは2校目、私学4強以外の学校同士の決勝戦となるのは2001年以来の事であるように、ジャイキリしない限り上位に食い込むことができない過酷な中を誉高校は勝ち上がっていったということになるわけです。
最右翼であった東邦高校もまさかの2回戦コールド負けを星城高校に喫し、その勢いに乗る星城高校を誉高校が準々決勝で撃破するという流れでもありました。今回の愛知県大会は戦国そのものでした。今後これをきっかけに私学4強の牙城も揺らいでくるのでしょうか?
誉高校の監督は電器屋さん
チームで指揮を執るのは矢幡(やはた)真也監督。本業はまちの電器屋さん。もともと学校の出入り業者で、何度か出入りしていく内に野球部をみてもらえないだろうかとお願いされ、不安を抱えながらも引き受けることに。
本人は美濃加茂(岐阜)高校のエースとして1990年の夏に甲子園に出場している。その後は大学、社会人でプレーをし、引退してからは結婚した妻の実家が営む家電販売店を継いでいた。2007年就任時には部員は7人しかおらず、とても野球をまともにできる環境ではなかったが、当初集められなかった選手も、監督の熱意もあり少しずつ増えていき、成績も徐々に上向きとなり、2014年秋の県大会でははじめて優勝。2018年の春の県大会でも優勝するまでになっていて、「強豪校の名前に圧倒されなくなってきた」ことが自信となり、甲子園出場の切符までは手に入れられなかったが、このたびようやく栄冠を掴むことになった。
この歴史の中にはドラマを感じますが、今回の優勝が決して奇跡や偶然ではなく、着実にここまでやってきた結果だとわかり、レベルの高い愛知県代表として甲子園での活躍が期待されるところです。
誉高校はどんな学校?
学校は小牧市にあり、旧校名は「尾関学園」だったが2009年創立25周年を機に今の校名に変わった。教職員で案を出し合い、インパクトがあり、何度も口にしたくなるような名前をということで選ばれた校名だ。学校としても野球部に力を注いでいる中での快挙に、ますます弾みがつき強豪校の仲間入りもできるかも知れない。同市からの甲子園出場は初めてで、さぞかし盛り上がっていることでしょうね。
1文字の校名の高校が甲子園に出たのはこれまでは4校だけで、境(鳥取)、津(三重)、桂(京都)、光(山口)でいずれも公立高校で、今回、誉高校が5校目となり、私学では同校が初の出場となる。
監督の矢幡さんは、1990年夏の甲子園に美濃加茂高校のエースとしてマウンドに立つが、1回戦で宇部商に1点差で敗れています。「選手としては(甲子園に)帰ってくることは出来ないけど、いつか帰ってこられたらなと思っておりました。今度は甲子園で勝つという喜びを、今の生徒達と一緒に味わえたらなと思ってます」30年前に叶わなかった甲子園での1勝を誉高校ナインとまずは叶えて頂きたい。注目して、甲子園でも【ジャイキリ】を期待し、応援していきたいと思います。
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