【台風19号】ダムの緊急放流と洪水の関係性はあるのだろうか?

洪水で救助される住民

国土交通省は13日、台風19号の大雨により、9河川10カ所で堤防が決壊したと発表した。

また、5カ所のダムで水位が上がりすぎるのを防ぐため、12日夜から13日未明にかけ、緊急放流が実施された。

緊急放流と洪水との関連性はないのでしょうか?

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今回放流したのはどのダムですか?

今回、関東甲信越で12日夜から13日朝にかけて緊急放流を行ったのは、

●美和ダム(長野県伊那市)一級河川・天竜川水系三峰川(みぶがわ)に建設されたダム。

「美和ダム」

●竜神ダム(茨城県常陸太田市)渓谷の下流部には竜神川をせき止めて作られたダム

「竜神ダム」

●水沼ダム(同県北茨城市)花園川と大北川の上流に作られたダム

「水沼ダム」

●城山ダム(神奈川県相模原市)相模川本川に建設されたダム

「城山ダム」

●塩原ダム(栃木県那須塩原市)那珂川水系箒川に建設されたダム

「塩原ダム」

の5カ所。

氾濫した河川は?

堤防が決壊したのは吉田川(宮城県)、久慈川(茨城県)、越辺川(埼玉県)、都幾川(同)、九十九川(同)、千曲川(長野県)、秋山川(栃木県)、粟野川(同)、荒川(同)

いずれの川も上記ダムとは関係がなく、緊急放流が川の氾濫と洪水に直結したことにはなっていないようだ。

「千曲川 決壊」

決壊した千曲川

 

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大雨が降るとダムはなぜ放流するの?

ダムは、大雨が降って一気に流れる危険な水を貯め込み、安全な水量に減らしながら時間を掛けてゆっくり流しています。

洪水調節

下流の川があふれてしまいそうな水量に増え続けると、ダムはあふれないように水量を貯めて調節し、抑える役割があります。

大雨が降ってダムに流れ込む水の量が増えても、下流の川があふれない程度の水量であればそのまま流すことになっています。

ダムで水量を抑えるとき、抑えた分だけダムに水が貯まり貯水量が増加します。

雨が止んで川の水が引き始めると、それまで貯め込んでいた水を加えながら流し、次の大雨に備えます。

 

緊急放流

想定された計画洪水量を超える洪水が発生し、このままではダムの水位が、

洪水調節をして貯留する際の最高水位を越えると予想される時に実施される操作です。

つまり、

緊急放流とは通常の放流と異なって、これ以上ダムに水をためられないと想定される際に、ダムに流れこんでくる大量の水を下流に流す操作です。

 

なぜ、大水が出てるのに流すのでしょうか?

ダムの放流は、川を氾濫させようとしているわけではありません。

これまで、ダムがせきとめていたからこそ、下流では今の水位で済んでいるわけです。

ダムが放流をするという事は、ダムの貯水量をオーバーする。つまりダムが決壊する恐れがあるから放流をするのです。

決壊してしまったら、その下流の人たちに甚大な被害が出てしまいますので、それは避けたいのです。

ダムで水量をある程度留めている間に避難するというのが正しい認識のようです。

 

 

大雨が降るのわかっているんだから事前に調整しないの?

しっかりと事前放流はされているようです。

それでもダムの容量を超える水が流入しているという事です。

 

八ッ場ダムで利根川流域は助かった?

八ッ場ダムの開業は2020年春で進んでいました。

試験的にダムに水をためて、安全面での問題がないかをしている最中で、ゆっくりと水をためて準備したのですが、期せずして、デビューしてしまった感じです。

八ッ場ダムのおかげで、利根川水系が洪水にならずにすんだという考えもあるようです。

もともとはあまり効果はないダムだと捉えられていたようですが、これまでのデータは当てにならない時代になったとも言えるのではないでしょうか。

 

まとめ

八ッ場ダムを反対した民主党政権が先見の明がなかったというような、鬼の首を取ったような論調がありますが、その当時のデータでは、そこに投資するよりは、別なものへという判断だったのでしょう。

それくらい、これまでの考え方、先入観ではやっていけない状況何だということではないでしょうか?

これまでがこうだったからということで判断してはいけないということなのかも知れませんね。

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