このお盆の間にも台風が日本列島を直撃して、山陽新幹線も運休の予定だとのニュースも流れてきています。台風のことを知って、備えを万全にしておきたいですね。
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台風とは
熱帯の海上で発生した低気圧のうち
①北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在し、
②10分間の平均で最大風速が、秒速17m(m/s)以上
この両方を満たしているものを台風と呼びます。
台風は温かい海面から出る水蒸気をエネルギー源として発達していきます。しかし、移動の際の海上や陸上の摩擦で弱体化し、エネルギー供給がなければ2~3日で消滅します。また、日本付近に接近すると上空に寒気が流れ込むようになり、次第に「温帯低気圧」に変わります。
熱帯低気圧が存在する地域によって、その呼ばれ方が違います。台風は東経180度より西の北西太平洋および南シナ海で日本の分類です。ハリケーンは北大西洋、カリブ海、メキシコ湾および西経180度より東の北太平洋東部、タイフーンは北太平洋西部、サイクロンはベンガル湾、北インド洋に存在する熱帯低気圧を指します。
台風の大きさと強さはどうやって判断する?
気象庁は台風のおおよその勢力を示す目安として、風速(10分間平均)をもとに台風の「大きさ」と「強さ」 を表現します。
*「大きさ」は強風域(風速15m/s以上の風)の半径で判断します。 (気象庁HPより引用)
(階級) | (風速15m以上の半径) |
大型(大きい) | 500~800km |
超大型(非常に大きい) | 800km以上 |
大型、超大型の台風それぞれの大きさは、日本列島の大きさと比較すると以下のようになります。
*「強さ」は最大風速で区分しています。さらに、風速25m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲を暴風域と呼びます。
階級 | 最大風速(m/s) | 最大風速(m/s) | 体感 | 現象 |
強い風 | 33~44 | 15~20 | 風に向かって歩けない | 電線が鳴る |
非常に強い風 | 44~54 | 20~30 | つかまらないと立てない | 看板が落下飛散 |
猛烈な風 | 54~ | 30~ | 屋外は極めて危険 | 電柱や街灯が倒壊 |
台風はどれくらい発生しているの?
30年間(1981~2010年)の平均では、年間で約26個の台風が発生し、約3個が日本に上陸しています。
台風は、夏になると発生する緯度が高くなり、太平洋高気圧のまわりを回って日本に向かって北上する台風が多くなります。8月は発生数では年間で一番多い月ですが、台風を流す上空の風がまだ弱いために台風は不安定な経路をとることが多く、9月以降になると日本付近を通るようになります。このときは大雨を降らせることがあります。過去に日本に大きな災害をもたらした台風の多くは9月にこの経路をとっています。
台風の寿命(台風の発生から熱帯低気圧または温帯低気圧に変わるまでの期間)は30年間(1981~2010年)の平均で5.3日です。
台風の番号のつけ方と名前のつけ方
気象庁では毎年1月1日以後、最も早く発生した台風を第1号とし、以後台風の発生順に番号をつけています。
台風には従来、米国が英語名(人名)を付けていましたが、日本を含む14か国が加盟している台風防災に関する各国の政府間組織である台風委員会が、2000年から加盟国などが提案した名前を付けることになりました。2000年の台風第1号に「ダムレイ」の名前が付けられ、あらかじめ用意した140個の名前を順番に用いています。140発生したら141番目はまた「ダムレイ」に戻ることになります。おおむね5年で台風の名前が一巡するという事になります。
2019年の台風10号には、「クローサ」(カンボジアの言葉で鶴という意味)という名前が付けられています。
1 | カンボジア | Damrey | ダムレイ | 象 |
2 | 中国 | Haikui | ハイクイ | イソギンチャク |
3 | 北朝鮮 | Kirogi | キロギー | がん(雁) |
4 | 香港 | Yun-yeung | インニョン | (オシドリ) |
5 | 日本 | Koinu | コイヌ | 子犬 |
・・・・・・
135 | ミクロネシア | Guchol | グチョル | うこん |
136 | フィリピン | Talim | タリム | 鋭い刃先 |
137 | 韓国 | Doksuri | トクスリ | わし(鷲) |
138 | タイ | Khanun | カーヌン | 果物の名前、パラミツ |
139 | 米国 | Lan | ラン | 嵐 |
140 | ベトナム | Saola | サオラー | ベトナムレイヨウ |
台風による風の被害
台風は地上付近では上から見て反時計回りに強い風が吹き込んでいます。
そのため、進行方向に向かって右の半円では、台風自身の風と台風を移動させる周りの風が同じ方向に吹くため風が強くなります。逆に左の半円では台風自身の風が逆になるので、右の半円に比べると風速がいくぶん小さくなります。中心(気圧の最も低い所)のごく近傍は「眼」と呼ばれ、比較的風の弱い領域になっていますが、その周辺は最も風の強い領域となっています。
台風による雨の被害
台風は、強い風とともに大雨を伴います。台風は積乱雲が集まったもので、雨を広い範囲に長時間にわたって降らせます。
台風は、垂直に発達した積乱雲が眼の周りを壁のように取り巻いており、そこでは猛烈な暴風雨となっています。台風の中心近くでは、濃密な積乱雲が占めており、激しい雨が連続的に降り、さらに外側の200~600kmのところには帯状の降雨帯があり、断続的に激しい雨が降ったり、ときには竜巻が発生すしたりします。また、日本付近に前線が停滞していると、台風から流れ込む暖かく湿った空気が前線の活動を活発化させ、大雨となることがあります。
台風がもたらす雨は、台風自身の雨のほかに、このように前線の活動を活発化して降る雨もあることを忘れてはいけません。
欠航になったときはどうしたらいいの?
【飛行機の場合】
台風や吹雪などの悪天候時はJALやANAといった一般航空会社はもちろん、ジェットスターやバニラエア、ピーチなどのLCCでも振替便への変更が可能です。振替の手数料はかかりません。また、払い戻しも行っています。
「振替便」は、一般航空会社は振替ができた場合、本数が多いため、当日に乗ることができる可能性が高いです。LCCの場合本数が少ないので、当日に乗れず、後日別の便に乗ることになる場合もあります。
「払い戻し」を利用する場合、どの航空会社でも台風や吹雪のなどの不可抗力な悪天候での大幅な遅延・欠航は払い戻しを行っています。払い戻しの手続きは、予約出発予定日より10日以内に済ませる必要があります。払い戻し・予約変更の手続きは購入した航空会社のコールセンター、あるいはWebサイトから行えます。また、空港内にある各航空会社のカウンターからも行うことができます。
【JR(新幹線)の場合】
大雨・・・それぞれJR各社が運行する路線の地質や特性から判断して決めています。
*東海道東海道新幹線は、60mm/時間以上で運休
*山陽新幹線では、55mm/時間以上で運休
*九州新幹線では、100mm/時間以上で運休
強風・・・強風では全国の各新幹線は統一されています。
*風速20m/秒以上で段階的に徐行運転
*25m/秒以上で運転見合わせまたは徐行
*30m/秒以上で運休
JRが責任を負ってくれるのは、購入した切符の払い戻しに限られます。ホテル代金、乗り継ぎ飛行機代金も全部ダメです。JR切符の払い戻しは、本人が申し出ない限り何もしませんので注意ください。
(乗車をやめる場合)
手数料なしで全額(特急料金と運賃)が払い戻されます。払い戻しは翌日から起算して1年以内に駅できっぷを提示すればどこの駅でも手続きしてくれます。自由席券で、後続列車が動いている状況では後続列車に乗らないとだめです。
(後続の列車に乗車する場合)
指定席券の場合は無料で後続列車に変更できます。窓口で購入したきっぷは、通常1回しか変更はできませんが、運休が関係する場合は2回目でも3回目でも何度でも無料で変更することができます。指定席券で後続列車に乗る場合は、無料で後続列車の指定席へ変更ができますが、指定席が満席の場合は自由席を利用することになります。この場合は料金(特急券)の半額が返金されますが、乗車前に駅員さん、車掌さんに事前に申し出た場合に限られます。
台風などの悪天候の場合、油断せずに早めの対応をするに越したことはなさそうですね。
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