アメリカ【宇宙軍】を正式に発足

宇宙軍がアメリカに発足

米軍内で宇宙領域での軍事活動を統括する「宇宙軍」が8月29日、正式に発足した。

戦略軍などと並ぶ11番目の統合軍になる。中国やロシアが宇宙の軍事利用を活発化させる中、「宇宙空間における優位性の維持」を目指し、発足した「宇宙軍」の式典で、トランプ大統領は「米国の安全保障にとって宇宙の重要性を認識した歴史的な日だ」と強調した。

パラボラアンテナ
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宇宙軍の任務は?

 今年の6月、トランプ米政権は中ロの宇宙における脅威に対抗するため、「2020年までに宇宙軍を設置する」と表明していた。

初代司令官に就任したレイモンド司令官は「宇宙空間における脅威の拡大や複雑化は現実のものだ」と指摘。

主に中国とロシアとの主導権争いがあり、「宇宙軍はこうした脅威に対して優位性を保つために不可欠だ」と述べた。その上で、最大の任務は「宇宙での軍事衝突を抑止することだ」と強調。日本など同盟国との連携を強めつつ、能力強化を図ると語った。

宇宙軍は87人体制でスタートし、中国やロシアが宇宙の軍事利用を加速する中、人工衛星の運用や宇宙空間の監視、ミサイル警戒などの任務に当たる。

人工衛星を敵国から守る

現在、アメリカ軍やその同盟国の軍隊は、その機能の多くを宇宙に浮かぶ各種の衛星に大きく依存しているため、現在の戦争はこうした宇宙空間に浮かぶ衛星なしには戦えない状況にあるのです。こうした衛星への高い依存度は、同時にアメリカ軍などにとって致命的な弱点ともなります。実際に、ロシアや中国はこうした衛星を破壊するための様々な兵器の開発を進めています。

人工衛星を宇宙ゴミから守る

また、衛星にとっての脅威はこれだけではありません。宇宙空間には破壊された衛星などの破片など、いわゆる「宇宙ゴミ」が無数に浮かんでいます。もしこうした宇宙ゴミと衛星が衝突すれば、衛星がその機能を喪失する可能性もあります。

こうした脅威から衛星を守るために、衛星を打ち上げ、その運用を管理したり地上から宇宙ゴミなどを発見して衝突を回避したりすることによって、アメリカ軍やその同盟国の軍隊などに必要な機能を提供する専門組織こそが、現実世界での宇宙軍なのです。

ミサイル

宇宙軍に反対派も多かった

宇宙軍の創設により宇宙空間で軍事衝突が起こる

「アメリカの宇宙軍創設が誘因となって、各国が宇宙兵器開発を進めれば、宇宙空間で軍事衝突が起きる確率が高まる」と、一部の科学者たちは憂慮していた。

「トランプ大統領は宇宙を新たな戦闘領域と位置付けた。軍にとって宇宙が重要であることは否めないが、軍事活動は宇宙における多様な活動のほんの一部でしかない。現在2000個近い人工衛星が運用されているが、その80%は民生用で、通信その他の人々の生活に不可欠なサービスを提供している」

人工衛星が破壊されれば市民生活に壊滅的な損害を与えるため、「宇宙空間の安全保障は、宇宙利用に乗り出している他の国々との調整と協力が必要であり、外交努力が求められる」そのようなアプローチが必要だという意見だ。

宇宙空間は軍事化ではなく、平和利用すべきだ

アメリカは宇宙空間の軍事化ではなく、平和利用を推進すべきだという意見も多い。

「人工衛星を守るにははるかに優れた方法がある。運用中の衛星の40%はアメリカが打ち上げたものだ。今後も長期にわたって安全に運用できるよう、アメリカが率先して平和利用の枠組みづくりに取り組むべきだ」

莫大な費用がかかる

宇宙軍を新設するということは、それを指揮する司令官をはじめとして軍人や官僚を大量に雇用しなければならなくなります。また、宇宙軍用の新制服なども新たに調達することになるかもしれません。これには莫大な費用が掛かります

アメリカ宇宙軍ステッカー

宇宙軍を支持する意見もある

宇宙空間にある人工衛星のシステムが破壊されたら、GPSなど地上のあらゆるシステムが崩壊し、地球レベルでの脅威となることから、NASA(アメリカ航空宇宙局)もその必要性を認めている。

現在、宇宙空間はアメリカにとって決して安全な空間ではありません。たとえば中国は2007(平成19)年に最初の人工衛星破壊実験を行って以来、敵の人工衛星を攻撃する「対衛星兵器」の開発に力を入れていて、ロシアも同様の兵器の実験を行っているとされています。

宇宙専門の軍を設立すべきではないかとして意見も出されていたわけです。

アメリカは宇宙兵器開発で出遅れて、中国とロシアは宇宙空間で軍事的優位に立とうとして、アメリカの衛星を攻撃できるレーザー兵器などの開発を進めており、うかうかしていれば劣勢に追い込まれる、ということから、トランプの構想を支持する声もある。

月面着陸したアポロ乗組員

地球人同士は宇宙では手を取りたいもの

米ソ冷戦時、レーガン大統領の「スターウォーズ計画」は、ソ連の脅威だけではなく宇宙人からの侵略をも想定していた。実際に、1985年11月の会談で、レーガン氏は、ゴルバチョフ書記長に「地球が宇宙人の侵略を受けたら、米ソは協力しよう」と呼びかけていたのだ。その後、米ソの軍縮交渉が本格化し、一気に冷戦終結に向かったという。

スターウォーズ計画

視点を上げたなら、細かいところでせめぎ合うより、協力してみんなで幸せになろうとなれますよね。いろんな余分な考え方を脱ぎ捨てて、手を取り合えるような世の中になっていけばこんな素晴らしいことはないですよね。そのためには、俯瞰して全体を見る視点の高さが求められるとよくわかりました。

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