ディープインパクト 【無敗の三冠馬】死す

JRA

史上2頭目となる無敗の三冠馬であり、種牡馬として、JRA G1馬38頭51勝を輩出したディープインパクトが、7月30日車台スタリオンステーションで亡くなった。17才だった。平均年齢が20~30年と言われるサラブレッドにしては、早すぎる死に各方面から惜しむ声が寄せられている。

痛みのあった頸部の手術を7月28日に受けたが、29日午前中に起立不能になり、30日早朝に骨折が判明し、回復の見通しが立たず、安楽死の処置が取られた。首を痛めた原因について、社台SSは、「種付け料をあげて数を絞っていったが、種付け頭数に起因していると言われたら、そうかも知れない」との見解を示した。肉対面の負担が大きかったことは否めないようだ。

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JRAでは、ディープインパクト号追悼関連行事のお知らせとして

無敗でクラシック三冠を制するなど史上最多タイのJRA・GⅠ 7勝を記録し、2005年度・2006年度には年度代表馬、2008年には顕彰馬に選出され、また種牡馬としても2012年以来7年連続でリーディングサイヤーとなるなど輝かしい実績を残し、7月30日(火曜)に死亡したディープインパクト号を追悼して、JRAでは関連行事を行いますのでお知らせいたします。月3日(土曜)および4日(日曜)の各競馬場のメインレースについて、「ディープインパクト追悼競走」の副題を付して実施いたします。

【8月3日(土曜)】
第1回札幌競馬第3日 第11レース「ディープインパクト追悼競走 札幌日経オープン(L)」
第2回新潟競馬第3日 第11レース「ディープインパクト追悼競走 越後ステークス」
第2回小倉競馬第3日 第11レース「ディープインパクト追悼競走 九州スポーツ杯」
【8月4日(日曜)】
第1回札幌競馬第4日 第11レース「ディープインパクト追悼競走 UHB賞」
第2回新潟競馬第4日 第11レース「ディープインパクト追悼競走 レパードステークス(GⅢ)」
第2回小倉競馬第4日 第11レース「ディープインパクト追悼競走 農林水産省賞典小倉記念(GⅢ)」
献花台・記帳台の設置
全国の競馬場および競馬博物館(東京競馬場内)においてディープインパクト号への献花台・記帳台を設置するほか、全てのウインズおよびGate J.(東京・新橋)において記帳を受け付けいたします。設置期間 8月3日(土曜)から9月1日(日曜)の競馬開催日

JRAホームページより抜粋

無敗の三冠馬ってどれだけすごいの?

放牧中のディープインパクト

 

三冠馬とは、3歳馬のみ出走でき成績上位の馬のみ出走できる選ばれたレース(G1)が3レースあり、それが皐月賞、東京優駿(日本ダービー)、菊花賞というレースでこのレース全てに勝った競走馬のことを「三冠馬」といいます。

そして、2歳でデビューするのですが、新馬戦から三冠を達成するまでにレースに出走しますが、それまで無敗で達成するのは、ものすごいことなのです。無敗で達成したのは、1984年に達成した皇帝と呼ばれたシンボリルドルフディープインパクトだけ。

歴代三冠馬
年度 馬 名 騎 手
1 1941 セントライト 小西喜蔵
2 1964 シンザン 栗田 勝
3 1983 ミスターシービー 吉永正人
4 1984 シンボリルドルフ 岡部幸雄
5 1994 ナリタブライアン 南井克巳
6 2005 ディープインパクト 武 豊
7 2011 オルフェーヴル 池添謙一
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ディープインパクトの成績ってどうだったの?

国内では13戦して12勝という桁違いの強さを発揮しました。獲得賞金は14億5455万円。騎手は全てのレースで武豊。

レース日 競馬場 レース名 着順 オッズ 騎 手
2004.12.19 阪神 2歳新馬 1 1.1 武 豊
2005. 1.22 京都 若駒S OP 1 1.1 武 豊
2005. 3. 6 中山 弥生賞 GⅡ 1 1.2 武 豊
2005. 4.17 中山 皐月賞 GⅠ 1 1.3 武 豊
2005. 5.29 東京 東京優駿 GⅠ 1 1.1 武 豊
2005. 9.25 阪神 神戸新聞杯 GⅡ 1 1.1 武 豊
2005.10.23 京都 菊花賞 GⅠ 1 1.0 武 豊
2005.12.25 中山 有馬記念 GⅠ 2 1.3 武 豊
2006. 3.19 阪神 阪神大賞典 GⅠ 1 1.1 武 豊
2006. 4.30 京都 天皇賞(春) GⅠ 1 1.1 武 豊
2006. 6.25 京都 宝塚記念 GⅠ 1 1.1 武 豊
2006.10. 1 仏 ロンシャン 凱旋門賞 GⅠ 失格 1.5 武 豊
2006.11.26 東京 ジャパンC GⅠ 1 1.3 武 豊
2006.12.24 中山 有馬記念 GⅠ 1 1.2 武 豊

鞍上の武豊は「走っていると言うよりは、飛んでいるような感じ」とディープインパクトの走りを表現している。

引退してからの繁殖成績は?

種付け数は1669頭。産駒勝利数は1941勝。うち重賞レース勝利数は204勝(109頭)、うちG1レース勝利数は50勝(37頭)となっている。

種付け料については下記の一覧表をご覧下さい。種付け料をあげて数を制限したかったようですが、余り数の減少もなかったのですね。「競馬はブラッドスポーツである」といわれるように、血統を意識して馬主が購入することもあり、実績を残した馬や血統のいい馬には引退後に種牡馬や繁殖牝馬としての役割があるために、ディープインパクトほどの実力馬ならばその血統を願う人たちはたくさん居たということになる。

種付け料(万円) 種付け頭数 出産頭数 産駒馬出走数 産駒馬勝利数 産駒馬収得賞金
2007 1200 215 152
2008 1200 232 161
2009 1000 171 118
2010 900 219 140 189 43 5億4000万円
2011 1000 229 151 960 150 24億8900万円
2012 1000 246 159 1664 269 50億4500万円
2013 1500 262 181 1876 243 54億800万円
2014 2000 255 176 2297 280 65億9000万円
2015 2500 261 157 2665 314 69億400万円
2016 3000 243 162 2671 304 73億2500万円
2017 3000 241 144 2715 346 58億9000万円
2018 4000 197 2668 348 68億円
2019 4000

ディープインパクトは、サンデーサイレンス産駒で、当時1億円はくだらないのが相場にもかかわらず、約7000万円で落札されている。

サラブレッドにしては華奢でもしかして牝馬じゃないのかと疑われるほど、小さくて虚弱だったらしい。一生懸命に走ると蹄は血だらけに。同期の馬たちとは同じメニューがこなせずに、デビューも遅れ、高額で落札されていれば、見切りでも出走させていたかも知れないところが、ディープインパクトに関してはじっくりと育てることになり、皆が信じて待つことができたそうだ。そして、この実績を形にしてきたことを改めて知り、どれだけ自分の持っている可能性を信じ、時に待つことも惜しまず突っ走ってきたディープインパクトの一生に愛おしさと尊敬の念を覚えました。本当にご苦労様でしたと言葉を贈りたいですね。

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