宮内庁によりますと、天皇皇后両陛下は、
国賓としてイギリスを訪問されます。
エリザベス女王からの招待を受けて、
両陛下は、4月から6月の間に出発し、
ロンドン近郊のウィンザー城に
滞在される予定であるということです。
皇室と英王室
皇室とイギリス王室は古くから親密な関係
にあります。
上皇さまは昭和28年、
エリザベス女王の戴冠式に
昭和天皇の名代として出席し、
英国王室との交流を続け、
平成24年には上皇后さまとともに
エリザベス女王の即位60年を
祝う行事に出席されました。
天皇陛下は大学院在学中の昭和58年から
2年間英国のオックスフォード大学に留学し、
水上交通の歴史を研究し、
学生寮で生活されました。
その後も3回にわたって公式訪問し、
交流を深められてきました。
今回の訪問が実現すれば、
19年ぶりのイギリス公式訪問となります。
また皇后雅子さまも、外務省に入ったあと、
昭和63年から2年近く
オックスフォード大学に留学していて、
お二人とも英国と深い関係があります。
最近も皇室とイギリス王室の交流はあり、
去年10月にエリザベス女王の長女のアン王女が
来日した際には、両陛下は王女夫妻を
住まいに招いて親しく懇談されました。
また天皇陛下の即位に伴う去年10月22日の
「即位礼正殿の儀」と「饗宴の儀」には
チャールズ皇太子が出席しました。
王室によりますと日本からはこれまでに
2度、国賓として天皇皇后を迎えていて、
1971年には昭和天皇と香淳皇后が訪問し、
1998年には上皇ご夫妻が訪問されています。
英国からは1975年5月にエリザベス女王と
夫のフィリップ殿下が
日本を国賓として訪問しています。
国賓とはどういう扱いを受けるのか
日本の外務省の外国の要人をもてなす場合の
招待プログラムは2通りあります。
①【公式訪問】
日本政府が招待者の宿泊滞在から
移動・通信・警護費用など
すべて滞在費を負担する。
②【非公式訪問】
訪問者がすべての経費を負担する。
「公式訪問」には、
招聘者の社会的地位や目的に応じて、
①国賓 ②公賓 ③公式実務訪問賓客
④実務訪問賓客 ⑤外務省賓客
に分けられます。
「国賓」の対象となるのは、
国王や大統領などの元首で、
皇太子や首相、副大統領などは
「公賓」となり、
内閣総理大臣との首脳会談や会食、
そして天皇陛下との会見や宮中晩餐会
などの行事が行われます。
国賓と公賓の“おもてなし”に、
ほとんど違いはありませんが、
違うのは、
国賓は歓迎行事を宮内庁が仕切り
皇居宮殿前で行うほか、
宮中晩餐会が開かれますが、
公賓は外務省が仕切り
歓迎行事は迎賓館で行い、
晩餐会ではなく、
宮中での午餐会となる点です。
国賓招聘の負担額は2,500万円
日本政府が負担する費用は、
本人だけでなく随行者(最大10人分)を含めた
宿泊や移動、食事、警備の費用3泊4日分で、
1回で2,500万円ほどかかるとされています。
ウィンザー城とはどんな場所なのか
両陛下はロンドン郊外のウィンザー城に
滞在される予定です。
ウィンザー城は、英国の首都ロンドンの
西34kmに位置し、
テムズ川南岸に築かれた
イギリスの君主の公邸の一つ。
イギリス王室の所有で、
女王エリザベス2世が週末に過ごす場所。
ウィンザー城は住居者がいるものとしては
世界最大の城で、ヨーロッパでもっとも
長く使われている王宮である。
女王が週末を過ごすために
ここを訪れているときには王室旗が、
平日などのいないときには
イギリス国旗がはためいている。
皇后さま 国際親善の外国訪問は18年ぶり
今回、両陛下での訪問が実現すれば、
療養中の皇后さまにとって、
平成27年に国王の戴冠式に
参列するため天皇陛下とともに
トンガを訪問されて以来、
5年ぶりの外国訪問となります。
また皇后さまが国際親善を
目的とした外国公式訪問に臨むのは、
平成14年にニュージーランドとオーストラリア
を訪問されて以来、18年ぶりとなります。
お元気になられていく皇后さまを拝見できる
ことはとてもうれしいことです。
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