ドラッグストア業界は販売競争が激化しており、これを機に再編の動きが活発化しそうだ。今はどのような勢力図になっているのでしょうか。
ドラッグストア大手のココカラファイン(横浜市)は14日、マツモトキヨシホールディングス(千葉県松戸市)と経営統合に向けた協議を始めると発表した。スギHD(愛知県大府市)との統合も検討していたが、外部有識者と社外取締役による特別委員会がマツキヨとの統合を支持。ココカラは同日の取締役会で同様の判断をした。統合が実現すれば売上高は1兆円規模で、業界首位となる。(毎日新聞)
2018年のドラッグストア売上ランキング
1、ウエルシアホールディングス
売上高(百万円)695,268
前年度比(%) 111.6
店舗数(店) 1,693
ウエルシア薬局・ シミズ薬品
2、ツルハホールディングス
売上高(百万円)673,238
前年度比(%) 116.7
店舗数(店) 1,931
ツルハ・ くすりの福太郎・ ツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本・ レデイ薬局・ 株式会社杏林堂薬局
3、コスモス薬品
売上高(百万円)557,999
前年度比(%) 111.0
店舗数(店) 912
4、マツモトキヨシホールディングス
売上高(百万円)538,408
前年度比(%) 104.3
店舗数(店) 1,604
マツモトキヨシ・ ぱぱす・ マツモトキヨシ東日本販売・ マツモトキヨシ甲信越販売・ マツモトキヨシ中四国販売・ マツモトキヨシ九州販売・ マツモトキヨシファーマシーズ・ 示野薬局
5、スギホールディングス
売上高(百万円)475,047
前年度比(%) 106.1
店舗数(店) 1,105
スギ薬局
6、サンドラッグ
売上高(百万円)400,019
前年度比(%) 105.0
店舗数(店) 861
7、ココカラファイン
売上高(百万円)388,482
前年度比(%) 103.7
店舗数(店) 1,322
ココカラファインヘルスケア・ 有限会社東邦調剤・ 有限会社古志薬局
8、カワチ薬品
売上高(百万円)268,205
前年度比(%) 100.7
店舗数(店) 329
9、クリエイトSDホールディングス
売上高(百万円)266,233
前年度比(%) 108.5
店舗数(店) 744
クリエイトエス・ディー
10、クスリのアオキホールディングス
売上高(百万円)221,286
前年度比(%) 117.2
店舗数(店) 458
クスリのアオキ
マツキヨの復活となるのか
業界4位のマツキヨHDと7位のココカラファインが提携することで、ダントツの売上規模を持つ業界1位となっていく。
これまで、業界第1位を続けてきたマツキヨHDは、16年度にウエルシアHDと「ツルハドラッグ」を展開するツルハHDに抜かれ、22年間保ってきた首位から3位に転落した。現在はコスモス薬品にも抜かれ、4位に後退していた。
マツキヨHDとココカラファインの提携は業界再編の終結となっていくのか
大都市圏におけるドラッグストアの都道府県別店舗数は、マツキヨ・ココカラ連合は首都圏に900店超、京阪神で400店弱の店舗網を持つことになり、2位のウェルシアの首都圏680店、京阪神265店を大きく凌駕することになる。
また首都圏はマツキヨ、京阪神はココカラという連合内での競合ではなく、足りないところを補い合う関係になり、国内最大のマーケットである首都圏、京阪神を押さえるという意味で、両社の提携が最適の組み合わせであることは一目瞭然だ。
郊外型と違い、新規店舗の出店余地がない大都市圏でのトップシェアを確保することになるこの提携によって、他社が店舗数でマツキヨ・ココカラが連携することは、かなりインパクトのある出来事になったはずだ。既にかなりの数のドラッグストアが存在し、新規出店の余地が多くはない大都市圏において、他社が店舗網でマツキヨ・ココカラ連合に追い付くのは簡単ではない。
マツキヨ・ココカラ連合は、自らが得意としている大都市マーケットにおいて、その地位を確固としたものにしたといえるだろう。売上ボリュームのある所を抑えたからには、今後出店の競争が激化する郊外型には、首を突っ込まず、助けを求めてくるところをM&Aして自動的に拡大する路線に入っていったのかもしれない。
その意味では、マツキヨ・ココカラ連合の誕生は、ドラッグストア業界の再編の終息の始まりかもしれない。
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